用木沢から大室山、加入道山


2014年8月2日
先週に引き続き涼を求めて西丹沢に。西丹沢は沢沿いを歩くので涼風が肌に涼しい。この時期、丹沢は人が少なくなる。大倉尾根など炎天下では炎熱地獄だ。ところが西丹沢は東丹沢と違い澤沿いを歩くし、沢から離れても木々の木漏れ日の中を歩くので東にくらべ格段に涼しいことがわかった。しかも西丹沢には蛭がいない。
そんな訳で今日は西丹沢自然教室の奥にある用木沢出会いをスタートし、犬越路から大室山、加入道山と歩いて用木沢出合に下ることとした。いつもは裏丹沢からアクセスする山々だ。
早朝に自宅を車で出発。目指すは用木沢出合の駐車場。車でNHKラジオのニュースから山北町でキャンプ中の家族が流されたとのこと。山北のキャンプといえばこれから私が目指す方面にちがいない。いやな予感がした。丹沢湖を経て奥に車をすすめると、ものすごい消防車と報道の中継者。予想したとおり、まさに事故現場だ。何年か前この水域でキャンプ中のグループが増水した川に流されたことを思い出す。多分、今回の事故も前夜の夕立の最中に起きたに違いない。このあたりはいわゆるオートキャンプ場が点在し、多くの家族連れで賑っているが、川は雨が降ると一変して様相が変わり、濁流となるので危ないと思っていた。今回の事故も何年か前の事故の再現だ。

7時、行方不明者の捜査を尻目に私は用木沢をスタートした。空はヘリコプターが盛んに飛びまわっている。登山道は沢沿いに続く。いつもなら沢の音に癒されるのだが今日は上空のヘリが沢の音に混ざる。多分まだ不明者の捜索が続いているのだろう。
犬越路までの登山道は渡渉がつづく。しかし私は地下足袋なのでいっこうに気にならない。むしろ水の冷たさが気持ちいい。夕立がきたらこの流れも激流に化すことを考えるとかなり危険な登山道なのでは。沢沿いを歩き続けるとなんとイワタバコの群生にであった。知り合いの好きな花だ。さっそく写真にとり、足をすすめる。やがて登山道は沢から離れ急登となり犬越路に到着。

堰堤のしぶきを受けながらスタート
地下足袋に清流が冷たい

イワタバコ。清流の岩に咲く。
犬越路避難小屋

8時半犬越路到着。犬越路にはいままで何回もきたがアクセスはいつも裏丹沢の神ノ川からだった。はじめて表丹沢から登った。これから大室山をめざす。空には相変わらずヘリの音。尾根道は木々に覆われ、涼しい。スタートしてから登山者とは出会っていない。尾根をどんどん登っていくが目指す大室山はなかなか姿を見せない。やがて空が近くなり大室山直下の尾根に達する。時計をみたら10時、ほぼ標準コースタイムだ。大室山へ300メートルとある。ここが大室山の休憩ベンチとなっている。夫婦連れが休んでいた。多分、裏丹沢から登ってきたのだろう。
大室山の尾根に達するとブナの木が多くなる
夫婦連れはランチの支度を始めたが、私はここでは小休止とし加入道山を目指す。ブナの木々の間を登山道は続く。木々の間から遠くの山々が見えるが、残念なことに今日は富士山は霞んで見えない。
大室山直下より遠く箱根方面を見る
加入道山へはかなり急下りのあと急登りとなる。春にこの道は歩いているので覚悟はしていた。しかし昨夜の深酒が身体にこたえる。ペースをおとし、確実に歩をすすめ加入道山に着いたのはちょうど12時。腹が減ったが、山頂は風もこないので、さらに歩をすすめ涼風の通る場所でランチとする。
ランチはトマトスープとコンビニオニギリ
この道を延々と進むと山中湖に達する。やはりこのエリアは海に面した表丹沢とことなり富士の空気に覆われているから涼しいのかもしれない。しかし私は白石峠でこの道を離れスタート地点を目指して下る。この峠を下りると湧水群があるはずだ。何年かまえにこの湧水群に感動した記憶があるが、そのときに比べ登山道は荒れ、ほとんど不明なところもある。赤いテープを頼りに湧水群に達することができた。
あちらこちらから水が湧き出て清流を形成している。じつに感動的だ。

ここまできて、昨日の深酒がこたえる。また地下足袋は濡れるときつくなり足が痛くなる。道は沢沿いとなるため石が足裏を刺激して痛い。かなりペースを落としつつも気持ちのいい清流歩きを続け15時にスタート地点に着いた。気がつくとヘリの音は止んでいた。多分、行方不明者が見つかったのだろう。ご冥福を祈る。
マタタビの実。秋の予感。

0 件のコメント:

コメントを投稿